少年時代の思い出をお金で買おう
そこそこ大きい中古ショップに足を運ぶと,ゲームコーナーには懐かしい面々が佇んでいる.SFCやGBA,PS1,PS2,PSPなど,レトロゲーの明確な領分は分からないが僕の懐かしい思い出を呼び覚ますには十分な数のレトロゲーが揃っている.
"がんばれ森川君2号"は学習機能を備えたロボットを育成するPS1のゲームで,ペットに躾をするようにロボットがとった行動に対してプレイヤーが良いか悪いかの判断をくだし,最善の行動をとるように選択肢を絞っていく.最終的な目標はロボットがプレイヤーの介入を全く受けずに課題をクリアすることである.
PS1特有のあの何とも言えないCGグラフィックが,絶妙にグロテスクで探求心をくすぐらせ,見たこともない生物やオブジェクトを発見すると,ロボットと一緒に喜んでいた.
物心ついて初めてこのゲームのタイトルを知った時,なんてネーミングなんだと驚いたことはここだけの話にしておこう.
"ファイナルファンタジー タクティクス 獅子戦争"は,PS1のソフトで,ファイナルファンタジーシリーズの外伝である.従来のファイナルファンタジーシリーズと違い,シミュレーションRPGでSRPGの中でも高難易度に位置する.シナリオ,キャラクターデザインともに秀逸で,ゲームバランス破壊系剣聖や,エルムドアから源氏シリーズを盗む,モルボル化する味方,算術ホーリーなど,本ゲームのファンなら聞くだけでニヤリとするようなあるあるがたくさんあり,会話が盛り上がるゲームでもある.
本作のリメイクがPSP,スマートフォン向けにされているため,気軽にプレイできるのも有難い.これを読んで気になった方はいかがだろうか.
ここ最近,昔遊んだゲームを掘り返して,あるいは中古ショップで数千円払って再度遊ぶことが増えてきた.幼いころの写真アルバムをめくるようにかつて遊んだゲームをプレイする.このボスは友人と情報交換して倒したなとか,家族から買ってもらえなかったゲームをしに放課後友人の家に毎日遊びに行っていたなとか,当時を思い出しながらプレイするのである.お金では買えないはずのノスタルジーをお金で買う.これもまたゲーマーとして一興なのだ.