ねこがいるならまぁいっか

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パラシュートの開傘衝撃(オープニングショック)について

落下をしている物体につながった減速機構(パラシュートなど)が突然機能するとき,落下中の物体の抗力係数(Drag Coefficient)は大きく変化する.この時に生じる力を開傘衝撃とかオープニングショックなど と呼んでいる(以下OPS).パラシュートを用いる際,このOPSを考慮したうえで構造設計を行う.OPSの導出は,以下の式(1)から.


{
 F_{ops} = \frac{1}{2} C_x\rho C_dSv^2  \tag{1}
}

これはニュートンの抵抗法則の式に係数をかけたものである.ちなみに,OPSの単位はNで,ρは流体の密度(今回は空気密度), {C_d}は抗力係数,Sは物体の抵抗を受ける方向から見た投影面積, {v}は対気速度となる.ここで, {C_x}の値を過去の経験則から,2.0としていた.

とある実験を行い, {C_dS}が0.2のパラシュートを対気速度60m/sでのOPSを測定した.式(1)から理論値は,


{
 F_{ops} = \frac{1}{2} C_x\rho C_dSv^2 =\frac{1}{2}\ast2\ast1\ast0.2\ast60^2=720 (\mathrm{N}) \tag{2}
}

となる.計算がめんどくさいので {\rho =1}とした.

実験で得た三軸加速度を合成して運動方程式を用いてOPSを求めるとおよそ2000Nとなった.

係数見直さないとまずいですねこりゃ....少なくとも2じゃ見積もりが足りないことがわかりました.ロストした実験供試体に合掌.